小さな会社の儲かる仕組み作り

消費者を階層化する

消費者は賢くなり、競争は激化しています。モノが少なかった時代に有効だった販売促進も昔のままでは通用しなくなっています。売上を増加させるために求められているのは、一方的に売り込むというテクニックではなく、消費者と継続的なコミュニケーションを行うことで、売れる仕組みを作るという考え方です。  消費者を階層化し、それぞれのターゲットに対して異なるアプローチをすることがそのための第一歩です。つまり、顧客は  ・商品や店を知らない人  ・聞いたことはあるが利用したことはない人  ・一見客  ・リピーター  ・愛顧客  ・店の信者  というように階層化されています。店や商品を知らない人に対するコミュニケーションの方法は、リピーターに再利用を促すコミュニケーションの方法とは変えなければなりません。例えば、商品や店を知ってもらうためにはチラシや広告が、再来店を促すためにはDMやサンキューレターなどが有効な手段となります。  一般的に言えるのは、1回のコミュニケーションで知らない人に商品を売ることは難しくなったということです。購買頻度が低く単価が高い商品はなおさらです。チラシや新聞広告、ミニコミ誌など不特定多数を対象とした媒体を利用する場合、すぐに売ることを目的とするのではなく、商品に興味がある見込み客を集めることに目的を絞ったほうが、効率が良くなることが多いのです。もちろん、見込み客を集める仕掛けは必要です。例えば、小冊子プレゼントやサンプル提供などが代表的な仕掛けです。  次にそこで集めた見込み客にアプローチをします。まずは電話で小冊子やサンプルが届いたか確認すると同時に、本当に買う気があるか情報を集めます。買う気がありそうだと見込んだ人に、期間限定のお値打ち商品情報を提供したり、販売員が訪問することで、売りにつなげていきます。  このような形で消費者を階層化し、上のステップへ上げるコミュニケーション方法を考えていくことが、売れる仕組み構築の第一歩となります。

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最来店を促すプロセス設計

前回は消費者を階層化してそれぞれのターゲットに対して異なるアプローチをすること、および見込み客を集める2ステップアプローチ法について解説しました。今回は1度購入・利用していただいた顧客に対し再来店してもらう方法について説明いたします。  地域を限定して営業している商店やサービス業では、同じお客さんに何度も来店してもらうことが、安定的な収益を上げるためにとても重要です。たいていの場合、再利用してもらうために使うコストは新規顧客獲得に比べ少なくてすみます。また、信頼関係ができているお客さんは1回当りの購入金額も高く、顧客の紹介も期待できます。にもかかわらず、再来店してもらうための努力が不足しがちな会社が多いと感じます。  店やサービスを再び利用してもらうためには、1回目の購入・利用時にお客様に満足してもらうことが最低条件です。しかし、お客様の期待通りであるだけでは再来店に結びつくとは限りません。最来店のための十分条件は、顧客の期待を上回る製品やサービスを提供することです。つまり、来店時または来店直後に、顧客に期待以上の満足や感動を与えるためにプラスアルファの何かが必要になります。  レストランを例にして考えてみましょう。メニューで食事を選び、ハンバーグを注文したとします。もし、メニューの写真より小さいハンバーグがでてきたり、まずかったりしたら、期待を裏切られますから最来店は難しいでしょう。見た目はメニューどおりで味も予想通りだったら、満足はするでしょうが、また来ようという気持ちは強く起きません。店の雰囲気に比べて非常に料理がうまかったり、お代わりのパンを何度も運んでくれたり、食事が早く出たり、無料のデザートサービスがあったり、最期まで見送ってくれたらどうでしょう。 また来てあげようという気になりませんか。  ここでのポイントは顧客の主観が基準となるということです。マンネリにならないために、顧客の視点から商品やサービスがどう見られているか常に情報を収集しておくことが求められます。店側としては顧客の期待を上回るために、何らかの仕掛けを用意しておくことが望ましいといえます。  最利用に結び付けるためのきっかけ作りのために、事前に方法を考え、仕組みを作っておくことも必要です。例えば、来店時に顧客アンケートに協力してもらい、「特典付きのポイントカード」を渡したり、来店後に「サンキューレター」や「購買商品に関する情報提供」、「2回目以降の特典案内」、などを送る方法があります。  最来店してくださった顧客の利用頻度を上げるための仕掛けも、売上を上げるために有効です。例えば、3回以上利用してくれたなじみ客については、しつこくない程度の積極的なコミュニケーションを心掛け、「誕生日プレゼント」や「情報誌の送付」、「イベント案内」「会員化」などの方法があります。定期的に利用してくれるファン客には、当店を信頼してくれる”店の信者”になってもらうために特別なお客さんというメッセージを伝えます。例えば、「プレセールの案内」、「特別催事のご案内」、「手書きの手紙」、「特別な商品の確保とご案内」などです。  再利用を促し、最終的には店の信者になってもらうようなプロセスを設計しておくことで、一見さんでは終わらせない売れる仕組みが構築できます。

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口コミを促すマーケティング方法

商品の選択肢が多様化し、賢い生活者が増えている中で、身近な人からの口コミは説得力が高く、商品を決定する大きな要因になっています。 会社としてみると口コミをうまく活用すれば、広告費を掛けずに来客数を増やすことができます。口コミを促すには一定の法則があります。それを知らないと口コミを有効に使い、利益を上げることは難しいでしょう。 口コミは一定の仕組みに従って起こり、その確率は次の方程式で表現できます。 クチコミの起こる確率 = 関与度 × 重要度 × 伝え易さ 関与度とはどれほど身近な話なのか。重要度とはどれほど自分に重要な話題なのかです。株式会社ハーストーリーが行ったクチコミに関するアンケート(主婦1000人)によると、「もっともクチコミを意識するサービス・店は?」と聞いたところ、第一位は84%で「病院」。第二位が塾・幼稚園・学校で74%だった、とのことです。第一位となった病院は、自ら利用する可能性が高いだけに関与度が高く、なおかつ病院の選択は身体に直接関わる事柄なだけに重要度も大きいサービスです。第2位の塾・幼稚園・学校は、選択そのものが子供の未来に大きく関わってくるからどこの母親も関心は高く、重要度も高いことがわかります。さらに、病院や塾・幼稚園・学校の名前は多くの人が知っているため説明の必要がなく、病気や教育は共通の話題にしやすいため伝え易くなっています。このことから病院や学校関係のサービスにおいて口コミが促進されるのでしょう。 口コミを誘発するには、この3点を意識的に高めていくことが必要です。まず、関与度を高めるためには商品を身近に感じてもらうことが一つの方法です。カツラは使用に抵抗感が強い商品ですが、ヘアチェックやピンポイント植毛といえば身近に感じられ、話題にしやすくなります。次に、重要度を高めるためには、危機感を高めることが一つの方法です。例えば、浄水器を口コミに乗せるために、水道水に含まれる塩素が発がん性物質のトリハロメタン生成の原因となる、ということを訴えることなどがその例です。 伝え易さということに関していえば、まず第一に、商品やサービスの特徴がシンプルでわかりやすいということです。ピッタリとした商品名やキャッチフレーズがあれば、説明の手間が省け、クチコミに出してもらえやすくなります。会社名でいえば、文具の通信販売の「アスクル」(商品が明日来る)、キャッチフレーズでは「さらりとした梅酒」(チョーヤ梅酒)、「しっとりおいしい超熟」(敷島製パン)などが一例です。 第二に、商品の話題を口に出しやすい道具を提供することも一つの手段です。健康食品会社ではすでに利用していただいている人に更にサンプルを配ったりします。これは、サンプルを身近な人に渡してしてもらい、口コミによる紹介販売を目的にしている訳です。また、口コミのきっかけにしてもらうために、利用客にニュースレターを発送するという方法もよく使われています。 最後に、コミュニティや商品紹介の場を提供することで口コミを伝えやすいシーンを提供する方法があります。例えば、ハーレーダビットソンが意識的に愛好家のグループを作ったり、着物屋が得意客に対しお友達を招待してのお茶会を開いたりするのがこの一例です。 これらのポイントを意識して、顧客とコミュニケーションする方法を考えることで、無料の宣伝=口コミを有効に活用することができるようになります。

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マスコミに無料でPRしてもらう(プレスリリース)

パブリシティとはプレスリリースに基づいて掲載された新聞記事や雑誌記事のことです。プレスリリースとは企業がマスコミ関係者に対して、自社の新商品などの情報を提供する報道資料のことを言います。  パブリシティは、??無料、??信頼感を与えるという点で広告に大きく勝り、一般に広告の3倍の効果があると言われています。このように効果的なパブリシティですが、掲載されるにはコツがあり、それは4点に集約することができます。  1点目は、マスコミが取り上げたくなるような企画を計画的に立てるということです。イベントや新商品発表はもちろん、売れ行き情報や福祉団体への寄付なども、社会性や話題性があるため有効なネタです。これらを事前に企画し、実行します。また、新商品開発の場合、新商品の説明(特徴、発売時期、価格)だけではなく、新商品が社会に与える影響や開発の背景、開発者のエピソードも事前に集めておいてプレスリリースに盛り込めば、マスコミに掲載されやすくなります。記者が意識する読者は業界人ではなく、一般の方々だという点を念頭に置いて、大衆受けする情報を提供しなければなりません。  2点目は、プレスリリースの様式に沿って書くことです。プレスリリースは、タイトル、要約(リード)文、本文の順で、できればA4一枚にまとめます。そして、分かりやすい位置に連絡先を書いてください。記者は毎日多くのプレスリリースを見なければならないので、何ページもの資料を送りつけても全てには目を通してくれないことが通例です。ですから、1枚に要約すること方がよいのです。更に、多くの中から当社のプレスリリースに目を止めてもらうことが必要ですから、手書き文字やイラスト、写真でビジュアルに表現することも有効な手法になります。写真掲載を希望するのであれば、裏側に説明を書いた写真を同封しておきます。  3点目は、見出しとリードに新聞に適した表現やキーワードを盛り込んで、この題材を取り上げたいと記者に思わせることです。魅力的な見出しやインパクトのあるキーワードは興味を引きやすいものです。また、記事の見出しにそのまま使える言葉なら、記者が見出しを考える労力が節約できるため優先的に取り上げてもらえます。ただし、広告的な表現が強すぎると逆効果になりますからご注意下さい。当たり前のことですが、一つ一つの文章を短く切りわかりやすくすることや、専門用語を使わずに書くことも重要です。  4点目は、媒体(新聞、雑誌、ミニコミなど)と記者を特定してプレスリリースを流すことです。それぞれの媒体には特徴があり、ニュースの内容で取り上げてもらえやすい媒体は異なります。また、当社のターゲット顧客を読者層にもつ媒体でなければその後の販売効果が見込めません。記者に関しては、記者の役割分担というのは意外にあいまいですから、誰が担当するかわからないプレスリリースは放っておかれることがあります。知り合いの記者がいれば、事前に連絡した上でその人宛てに記事を送ります。担当記者がわからない場合、雑誌社や新聞社に電話を入れ、担当記者の名前を聞き出した上で、その記者にプレスリリースを送ります。記者を特定する手間を惜しんではいけません。送付後は、くどいようでも、記者に電話して届いたかどうか確認した方が、取り上げてもらいやすくなります。そして、記事が掲載されたら、記者にお礼の手紙を出すなどして良好な関係を築いておけば、次につながることでしょう。  また、新聞社にプレスリリースを送る場合には、一斉に送ることも重要なポイントです。同じ日に掲載してくれると複数の新聞に載りますが、1つの新聞社だけが最初に記事にしてしまうと、ニュース性がないとして、他の新聞社が取り上げてくれないことが多いのです。  以上のルールに沿ってプレスリリースを流すことで、マスコミに無料で宣伝してもらる可能性が高くなります。  蛇足ながら、新聞に記事が載った日には、例え土日であっても電話にでられるようにしておいて下さい。見込み客が見つかるせっかくのチャンスを逃すことになります。

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効果的なチラシ広告の前提条件

小売業では広告というとまずチラシを思い出すくらい、チラシはよく使われる広告手法です。大辞林によると、チラシとは「広告・宣伝文を印刷した紙」であり、チラシ広告は「チラシを街頭で手渡したり新聞に折りこんだりして行う広告」、とあります。今回はこのうちの折込チラシ広告について、反応を上げる条件についてご説明します。 折込チラシに反応があるかどうか、次の方程式で表すことができます。 チラシの反応 = 配布時期 × 配布エリア × 回数 × 仕掛け × チラシの中身 チラシの反応率を上げるためには、まず適切な時期にまくことです。原則的に売りたい時期の少し前にチラシをまくことになります。雛人形を売りたいのであれば2月中旬が、クリスマス商品を売りたいのであれば12月上旬が一般的な折込時期になります。戦略的に他社と違う時期を選ぶこともあります。 例えば、地域一番店は、他社のチラシを挟み込むようなタイミングで折り込むことも行います。雛人形であれば他社が折り込む2月中旬ではなく、2月上旬と2月下旬に2回にわたり折り込むことで、情報収集をしている人を他社に先駆けてとらえ、どこで買おうか迷っている人に対して最後に購買を促すのです。 実務的には、競争相手の販売促進のやり方と自社の商品構成を考え、年間販促スケジュールを作ることになります。折り込む曜日も重要な要素です。私の住んでいる塩尻市広丘では、折込枚数は土曜日が一番多く、金曜日がこれに次ぎ、日曜日と月曜日はかなり枚数が少ない傾向があります。火水木に入っているのはスーパーやホームセンター、デパートなど主婦向けのチラシが多く、金土にはこれらに住宅関係やレストラン、ビデオ、車検など家族向け商品のチラシが加わります。商品や地域性によりどの曜日が良いかは一概に言えません。回数を重ねながら検証していくことが必要でしょう。 次に配布エリアと回数に関してですが、中小商店の場合、自社商圏に限定して定期的にまいた方が反応が良くなります。自社商圏とは、一般的に現行顧客の70~80%が居住している地域をいいます。自社の商圏以外に配布しても顧客は反応せず、その分は無駄になることが多いのです。また、定期的に折込むことにより、商品や店舗の認知度が高まり、ある程度までは反応が向上していきます。 現在の商況は、チラシをまけばそのコストに見合った粗利益がとれるほど甘くはありません。少し前まではチラシは1??3%の反応があれば良いと言われていました。しかし、今では反応率はかなり低下しています。中小商店では千枚まいて数件反応があればかなり良いチラシと言えるほどです。したがって、チラシ広告は試用客や見込み客の発見を主要な目的にして、長期的な観点から効果を考えないといけません。 見込み客発掘や初回顧客の再購買の仕組みを考えた上でチラシ広告を打ち、長期的にチラシ費用を回収する必要があります。それがチラシの仕掛けということになります。チラシの仕掛けとチラシの作り方については、次回で取り上げます。

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効果的なチラシの作り方

チラシには明確な目的が必要です。見込み客の発見、初回購入の契機、再購入の促進などです。効率よく見込み客を獲得する有力な方法として、資料請求者や試供品請求者を集めることに目的を限定するチラシがあります。高額商品や健康食品などでよく使われる手法です。初回購入を目的としたチラシには、クーポンを印刷したものや、お試し価格を訴えるものもあります。再購入促進は、スーパーが行う価格訴求の大型電気店などの品揃え型のチラシが代表的なものです。  顧客の心理過程から考えると、チラシの役割は3つあります。一つ目は注目させること。二つ目は読ませて買う気を起こさせること。三つ目は行動を起こさせることです。注目させるポイントとしては、紙質とサイズ、見出し、全体構成があります。  光沢紙が多い中に入っているざら紙のチラシや、B3(B4サイズの倍)やその倍のB2サイズの紙は折られて厚くなるので目につきます。見出しはめくった瞬間に目に留まるように、上部に配置し、一目で何のチラシがわかりるような表現にして下さい。文字としては、赤や黄色、白地に黒、赤字の白抜きなどの目立つ色で、縦横3cm以上のサイズの字体が多く使われます。  全体構成としては、全体の色合いと商品の見せ方がポイントです。全体色では黄色や赤、青、ピンクなど原色に近いカラーが目立ちます。逆にほとんどのチラシがカラフルな中に、白や茶の素朴なチラシがあると目を引きます。  商品の見せ方としては、新商品の写真などで紙面半分以上を使うか、あるいは小さい写真を数多く配置すると注目されます。また、人間の本能として顔写真や顔のイラストには自然に目が行きます。チラシは表裏どちらから見られるか予想できませんので、両面とも注目が集まるようにデザインしてください。  読ませて買う気を起こさせるためには、まず文章がわかりやすいことが求められます。中学生でもわかる表現にして下さい。さらに、商品の特徴ではなく、顧客から見た利点や効果を表現すべきです。「実年齢より若く見られたくないですか」、「体験した人たちが短期間で全員やせています」などはよい文章です。また、使用者の体験談を入れて説得力を高める方法もあります。価格をアピールする場合、200円、1万円均一という切りのよい価格や、「半額」、「3割引」という表現が直感的に理解できます。  最後に行動を起こさせる工夫です。初回来店が目的なら、来店プレゼントや初回割引、無料体験によってきっかけ作りをします。特典の期間を限定することや、わかりやすい地図を入れることを忘れないで下さい。問い合わせて欲しい場合、手段はできる限り多様化しておきます。フリーダイヤルを大きく入れ、FAX、メールアドレスなども明記します。電話で話す抵抗をなくし、反応を高めるために、チラシに葉書を印刷しておく方法はよく使われています。その際「お申し込みは、右の専用注文ハガキ(切手不要)に必要事項を記入してお送り下さい」など、具体的な指示を入れておくと行動を誘導できます。  小さな会社が大手と対抗して成果を上げるには、ゲリラ的な手法が有効です。特定の商品群に絞り込んでアピールすることや、手書きのチラシで店主のこだわりを訴えるという手法などがあります。また、チラシだけではなく、DMや新聞広告を組み合わせて売上を確保していく手法も効果を高める有力な方法です。

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効果的なDMの打ち方・作り方

「下手な鉄砲も数打ちゃ当る」ということわざがありますが、これはダイレクト・メール(DM)には当てはまりません。下手なDMはいくら数多く出しても販売につながらないことが現実です。  DMの打ち方を分類すると、対消費者向けのものと対企業向けのものがあります。また、一度で販売するワンステップ方式と、一度目でアンケートの回答や資料請求をしてもらい、二回目以降で販売するツーステップ方式があります。  それぞれやり方が異なりますが、主なポイントは共通しています。小さな会社のDMの打ち方・作り方のコツは次の3つです。  1.目的をはっきりさせる。目的は1つに限定する。  2.相手を選んで送る。自社の顧客名簿を活用するのが原則。  3.販売までの具体的なストーリーを考え、行動を誘導する方法を検討する。  DMには具体的な目的が必要です。新商品の紹介、催しの案内、来店促進、情報提供などが一例です。1回のDMでは目的を1つに絞り込んで、発送先や封筒、文章表現、特典などの全てをその目的達成のために向けるべきです。なぜなら、DMはわずかな時間で読まれるものですから、受け手がDMの内容を直感的にわかるようでなければ、反応を引き出すことは難しいのです。内容がわかりにくいと、その時点でゴミ箱に捨てられてしまいます。  例えば、雑貨店で新商品の紹介と販売が目的ならば、新商品をご利用いただけそうな既存顧客に対し、新商品への店主のこだわりを書いた封筒を発送し、中の文章には新商品の特徴や使った際のメリット、今回ご来店いだだき新商品をご購入いただいた場合の特典をアピール力がある表現で盛り込むこと、が具体的な作り方です。  次に重要なのはDMの発送先です。DMの反応率の7割以上は誰に送るかによって決まります。発送名簿には会社が独自に作った顧客名簿と、外部から購入する外部名簿があります。小さな会社のDMは、自社の顧客名簿の中の絞り込んだターゲットに対して出すものだと考えてください。知名度がない会社が、電話帳や高額所得者名簿などの外部の名簿に基づきDMを発送しても、費用に見合った効果をあげることは難しいのです。現時点で独自の顧客名簿がない場合、顧客名簿を作るところから始めた方が、長い目で見ると結果はよくなります。具体的な顧客名簿の作り方には来店アンケートを行なう方法や、新聞広告やチラシ、HPで資料請求者を集める方法などがあります。  最後に販売までの具体的なストーリーを考えた作り方をすることです。DMは受け取る側の心理と深いかかわりがあります。当社にとって望ましい行動を想定し、その行動を誘導するように、一連の仕掛けを考えておきます。  美容院のDMでしたら、店が期待する行動は、気持ちよく予約の電話を入れてもらい、来店が少ない平日に来ていただきたいことだとします。そこで作り方としては、そろそろ髪の毛が気になりだす、カット時期の3週間程度前のお客様に、担当者が手書きのイラストを入れて直筆でDM葉書を書きます。葉書には予約電話番号を大きく書き、予約の上、平日に来店してもらえばお待たせしない上に、カット代が10%Offという特典を明記します。電話が掛かってきたら担当者が出るように指導しておき、その場で感謝の気持ちを伝えます。さらに、予約日の3日ほど前に確認の葉書を出し、予約時間の確認とお待ちしていることを伝えます。このような一連の作り方の仕掛けをすることで、DMを有効に活用することができます。

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高反応率のDMの書き方・作り方

DMによって売上を得るためには、次の4つの反応を引き出す仕掛けが必要です。  一番目は、開封してもらう。  二番目は、興味を持って読んでもらう。  三番目は、欲しいと思わせる。  四番目は、申し込んでもらう。  開封してもらうために封筒に工夫をします。例えば、「歳末キャンペーン、締め切り迫る」などの呼びかけや「サンプルCD在中」などの内容物の告知、「今すぐ中をご覧下さい」という行動を促すコピーを印刷する作り方をします。また、「稼ぐ社員を作りませんか」などの見出し文を直接、封筒に印刷している作り方のDMもあります。マーカーペンやCDなどの固形物を入れたり、窓空きにして、中に入れた押し花しおりや金券などのプレゼントを外から見えるようにすることで、開封率を上げる作り方も効果的です。法人向けDMであれば、受付で捨てられないために、事務用封筒にして、宛名を手書きにする例もあります。少し強引ですが、DM送付後、「DMをご覧いただきましたか?」と電話フォローして開封してもらうことも、教育関連の会社などではよく行なわれます。  興味を持たせるためには、同封した手紙の見出し文を読んでもらい、文章に引き込む作り方が必要です。すぐに目に付くように、見出し文が外側になるように手紙を折って下さい。また、見出しは読み手の感情を動かせる刺激的な表現にするべきです。「すぐにペン字が上達する」、「ツルツル美肌キャンペーン」などは直感的でよい文です。  本文では、商品やサービスによって得られる顧客の利益=ベネフィットをしつこいぐらい強調する書き方をします。「年賀状がすらすら書ける!」、「手紙がラクラク!」や「たった一日で驚きの素肌になります」などの表現をします。文章は分かりやすく、枚数が増えても必要な情報は全て盛り込んで下さい。文章中に個人名をふんだんに入れ、自分宛のDMだと思わせることで、読んでもらう書き方や、お客様の感想や生産者の声を入れて、信頼感を高める書き方もあります。手紙の最後の追伸はよく読まれますから、最大のベネフィットを念押しして強調します。  欲しいと思わせるためには、特典(オファー)が重要です。特典には無料プレゼントや抽選、クーポン券などがあります。特典は販売する商品に関連があり、しかも魅力的なものであれば反応が良くなることが通例です。アパレル関係であれば小物アクセサリー、書籍販売であればペンケースやボールペンなどです。来場特典により来店を促し、来店率を上げている小売店もあります。さらに特典を期間や数量限定にすると、緊迫感を生み、反応が良くなります。申し込み締切日3月31日(水)、先着30名限定という具合です。  最後に、申し込んでもらう工夫です。商品を気に入ったら何をしてもらいたいか、次のステップへの行動を文章中で明確に指示します。「お申し込み方法は簡単です」、「同封の葉書を今日すぐポストへ」。「フリーダイヤルまたは同封の葉書でお申し込み下さい」といった指示を大きな文字で強調した書き方をします。申込の手間を省くために、申し込み葉書や申し込み用紙と封筒を同封して下さい。申し込み用紙に顧客の氏名や住所を予め印刷しておき、書く手間を省くDMの作り方も多くなっています。通販の場合、申し込み後の出荷日数を明示したり、送料負担、返品保証により顧客の不安感を解消すると、申し込んでもらえる確率が上がります。  なお、DMの反応率は初回を100とすると、2度目は50、3度目は30と言われています。つまり、初回の半分の反応でも儲かるのであれば、2度目を出すべきなのです。 工夫を加えたDMの作り方によって、顧客の感情を揺さぶり、売上を増加させてください。

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衝動買いを促すPOPの作り方

売り場にあるカードの気の利いた文面に誘われて、衝動的に商品を買ってしまったことはありませんか。そのときに購買を促したものが、物言わぬ案内役=POP(ポップ)広告です。POP広告は「Point of Purchase」広告の略称で、顧客が購買する時点において情報を得るための各種広告のことを言います(以下ではPOPと表現します)。チラシが来店客数を増やすものであるのに対し、POPは購買点数や購買単価を増やすための手法に該当します。  スーパーマーケットで売れる商品の半分以上は計画的に購入される商品ではない、というアメリカの調査結果があります。非計画的な店頭での購買を後押しするために効果を発揮するのが、商品を紹介するPOPです。今回は、小さなお店が商品紹介のPOPで売り上げを伸ばす作り方のポイントをご紹介します。  一つめは、売りたい商品やアピールしたい商品にPOPを付けることです。POPは数が多ければ良いというものではありません。多すぎると一つ一つのPOPが目立たなくなり、かえって訴求力がなくなります。店として本当にお勧めしたい商品や当店のこだわり商品に重点をおいてPOPを付けます。買うべき商品をPOPでズバリと指摘してもらうことで、迷っている消費者は選択の手間を省くことができるのです。  二つめは、手書きにすることです。大型店との違いを出すためにもっとも有力な作り方は手書きのPOPです。きれいな文字でなくても構いません。個性ある文字や素人っぽいイラストの方がかえって親近感がわくことが多いものです。また、マジックで自ら書くことで作り手の「思い」が伝わり、消費者は感情を動かされます。ただし、明るく、読みやすいという作り方の基本は外さないで下さい。色としては目立つように黄色や赤、黒を中心に2色以内にして、できる限りていねいに書くことが重要です。手書きのイラストや写真を加えることで注目度が高まります。  三つ目は、お客さんの立場になって買いたくなる表現をすることです。そのために商品の背景を説明する方法があります。例えば「5年仕込みで西山大豆の旨みを引き出したお味噌です」や「ギリシャでとれたオリーブだけで作りました」などです。また、商品を手に入れたときの効用をアピールする作り方も有効です。例として、「心安らぐ桧の香りで、お風呂で森林浴効果をお楽しみください」、「二日酔いにかなり効くパックです」があります。最近よく使われるのが店主の感想やこだわりを書いたメッセージPOPです。「久しぶりにこんな奥深い小説に出会ったって感じです」、「このスープを夕食に出したら、お母さん、料理が上手になったね!と子供から言われました」というような表現があります。  POPは自分で作りましょう。最初は慣れなくても徐々に書き方は上達するものです。POPの表現を考えることで、商品の知識が深まることや、お客さんの立場に立って商品のメリットを考える習慣がつくことも、POP制作の利点です。POPを活用して、来店客の買い上げ点数を増やしてください。

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売れる切り口の見つけ方

消費者は様々な選択の中から気に入った商品を買います。消費者の気を引かない商品は選ばれません。消費者に選ばれるためには、売れる切り口を見つけ、それをうまい文章にまとめ、POPやチラシ、DMできちんと伝えていくことが必要です。今回は切り口を見つける具体的な方法について解説します。準備として模造紙とポストイットをご用意下さい。  第一のステップは、商品の特徴をできるだけ多く考え、文章で表現することです。短い言葉で簡潔にまとめ、ポストイットに記入し、模造紙に貼って下さい。従業員を集めてブレーンストーミングを行う方法も有効です。色や大きさ、匂い、味などの物理的形状や、そこから受けるイメージに加え、店主がそれを選んだ理由、製法や素材へのこだわりなど、商品に付随するサービスなどできるだけ多く挙げることがポイントです。グラスを例に考えてみましょう。サイズが小さめ、耳型の取手がある、帆船の模様がある、模様は地味目、吹きガラスなので微妙に模様が違う、値段は500円、曇りガラスの白がきれい、ラッパ型で泡が最後まで消えにくい、等が出されたとします。  第二のステップは視点を変えて、消費者が商品を買う理由や買いたいと思う場面をできるだけ多く考えます。消費者に直接聞いてみても良いでしょう。買いたいと思われる理由や、顧客から聞いた生の声の一つずつを、ポストイットに1枚ずつ書き出し、模造紙に貼り付けます。くだらないと思われることでも書いてみることが重要です。なぜなら、ささいなアイデアを組み合わせることで、思いがけないアイデアを発見することがあるからです。上記の例では、かわいい、値段が手頃、値段の割に豪華、プレゼントに使える。ビールの色が映える、底のビールまでおいしく飲める、があったとします。  第三のステップは、第一ステップで集めた商品の特徴と、第二ステップで集めた買う理由を結びつけることです。具体的には、模造紙の上で、ポストイット同士をくっつけます。一つの特徴が、二つの理由と重なる場合は、同じ文章を白紙のポストイットに記入し、別々のペアを作って下さい。例えば、(サイズが小さめ??かわいい)、(帆船の模様??値段の割に豪華)、(吹きガラス??プレゼントに使える)、(曇りガラスの白がきれい??ビールの色が映える)、(泡が消えない??底のビールまでおいしく飲める)という感じです。  第四のステップでは、上のステップでペアに対して、??多くの消費者の支持を得る理由になっているか、??同種の商品と違う特徴か、という観点から感覚的に順位を付けて下さい。  第五のステップで、順位の上になった組み合わせから、買う理由??特徴という順番で、短い文章にまとめていって下さい。そして、その表現が顧客の感情に響くか考えて、最も有効だと思われる表現を選び出していきます。さらに、別の組み合わせを付け加えたり、別の単語に代えて表現を洗練させていきます。  そして最後に残った言葉が、商品の切り口になります。上記の例では、「色までこだわるビール通の彼に贈りたいグラス」、「変な形ですが、きれいな泡が残り、最後までおいしく飲めるグラスです。」などです。  以上の作業を行うと、意外にうまい切り口が見つかるものです。作業の中で、「いかに商品について深く考えていなかったか」、という感想を持たれることと思います。その経験が別の商品の仕入れや新商品の開発の大きな財産になることでしょう。

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