最来店を促すプロセス設計

前回は消費者を階層化してそれぞれのターゲットに対して異なるアプローチをすること、および見込み客を集める2ステップアプローチ法について解説しました。今回は1度購入・利用していただいた顧客に対し再来店してもらう方法について説明いたします。

 地域を限定して営業している商店やサービス業では、同じお客さんに何度も来店してもらうことが、安定的な収益を上げるためにとても重要です。たいていの場合、再利用してもらうために使うコストは新規顧客獲得に比べ少なくてすみます。また、信頼関係ができているお客さんは1回当りの購入金額も高く、顧客の紹介も期待できます。にもかかわらず、再来店してもらうための努力が不足しがちな会社が多いと感じます。

 店やサービスを再び利用してもらうためには、1回目の購入・利用時にお客様に満足してもらうことが最低条件です。しかし、お客様の期待通りであるだけでは再来店に結びつくとは限りません。最来店のための十分条件は、顧客の期待を上回る製品やサービスを提供することです。つまり、来店時または来店直後に、顧客に期待以上の満足や感動を与えるためにプラスアルファの何かが必要になります。

 レストランを例にして考えてみましょう。メニューで食事を選び、ハンバーグを注文したとします。もし、メニューの写真より小さいハンバーグがでてきたり、まずかったりしたら、期待を裏切られますから最来店は難しいでしょう。見た目はメニューどおりで味も予想通りだったら、満足はするでしょうが、また来ようという気持ちは強く起きません。店の雰囲気に比べて非常に料理がうまかったり、お代わりのパンを何度も運んでくれたり、食事が早く出たり、無料のデザートサービスがあったり、最期まで見送ってくれたらどうでしょう。 また来てあげようという気になりませんか。

 ここでのポイントは顧客の主観が基準となるということです。マンネリにならないために、顧客の視点から商品やサービスがどう見られているか常に情報を収集しておくことが求められます。店側としては顧客の期待を上回るために、何らかの仕掛けを用意しておくことが望ましいといえます。

 最利用に結び付けるためのきっかけ作りのために、事前に方法を考え、仕組みを作っておくことも必要です。例えば、来店時に顧客アンケートに協力してもらい、「特典付きのポイントカード」を渡したり、来店後に「サンキューレター」や「購買商品に関する情報提供」、「2回目以降の特典案内」、などを送る方法があります。

 最来店してくださった顧客の利用頻度を上げるための仕掛けも、売上を上げるために有効です。例えば、3回以上利用してくれたなじみ客については、しつこくない程度の積極的なコミュニケーションを心掛け、「誕生日プレゼント」や「情報誌の送付」、「イベント案内」「会員化」などの方法があります。定期的に利用してくれるファン客には、当店を信頼してくれる”店の信者”になってもらうために特別なお客さんというメッセージを伝えます。例えば、「プレセールの案内」、「特別催事のご案内」、「手書きの手紙」、「特別な商品の確保とご案内」などです。

 再利用を促し、最終的には店の信者になってもらうようなプロセスを設計しておくことで、一見さんでは終わらせない売れる仕組みが構築できます。

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