口コミを促すマーケティング方法

商品の選択肢が多様化し、賢い生活者が増えている中で、身近な人からの口コミは説得力が高く、商品を決定する大きな要因になっています。

会社としてみると口コミをうまく活用すれば、広告費を掛けずに来客数を増やすことができます。口コミを促すには一定の法則があります。それを知らないと口コミを有効に使い、利益を上げることは難しいでしょう。

口コミは一定の仕組みに従って起こり、その確率は次の方程式で表現できます。

クチコミの起こる確率 = 関与度 × 重要度 × 伝え易さ

関与度とはどれほど身近な話なのか。重要度とはどれほど自分に重要な話題なのかです。株式会社ハーストーリーが行ったクチコミに関するアンケート(主婦1000人)によると、「もっともクチコミを意識するサービス・店は?」と聞いたところ、第一位は84%で「病院」。第二位が塾・幼稚園・学校で74%だった、とのことです。第一位となった病院は、自ら利用する可能性が高いだけに関与度が高く、なおかつ病院の選択は身体に直接関わる事柄なだけに重要度も大きいサービスです。第2位の塾・幼稚園・学校は、選択そのものが子供の未来に大きく関わってくるからどこの母親も関心は高く、重要度も高いことがわかります。さらに、病院や塾・幼稚園・学校の名前は多くの人が知っているため説明の必要がなく、病気や教育は共通の話題にしやすいため伝え易くなっています。このことから病院や学校関係のサービスにおいて口コミが促進されるのでしょう。

口コミを誘発するには、この3点を意識的に高めていくことが必要です。まず、関与度を高めるためには商品を身近に感じてもらうことが一つの方法です。カツラは使用に抵抗感が強い商品ですが、ヘアチェックやピンポイント植毛といえば身近に感じられ、話題にしやすくなります。次に、重要度を高めるためには、危機感を高めることが一つの方法です。例えば、浄水器を口コミに乗せるために、水道水に含まれる塩素が発がん性物質のトリハロメタン生成の原因となる、ということを訴えることなどがその例です。

伝え易さということに関していえば、まず第一に、商品やサービスの特徴がシンプルでわかりやすいということです。ピッタリとした商品名やキャッチフレーズがあれば、説明の手間が省け、クチコミに出してもらえやすくなります。会社名でいえば、文具の通信販売の「アスクル」(商品が明日来る)、キャッチフレーズでは「さらりとした梅酒」(チョーヤ梅酒)、「しっとりおいしい超熟」(敷島製パン)などが一例です。

第二に、商品の話題を口に出しやすい道具を提供することも一つの手段です。健康食品会社ではすでに利用していただいている人に更にサンプルを配ったりします。これは、サンプルを身近な人に渡してしてもらい、口コミによる紹介販売を目的にしている訳です。また、口コミのきっかけにしてもらうために、利用客にニュースレターを発送するという方法もよく使われています。

最後に、コミュニティや商品紹介の場を提供することで口コミを伝えやすいシーンを提供する方法があります。例えば、ハーレーダビットソンが意識的に愛好家のグループを作ったり、着物屋が得意客に対しお友達を招待してのお茶会を開いたりするのがこの一例です。

これらのポイントを意識して、顧客とコミュニケーションする方法を考えることで、無料の宣伝=口コミを有効に活用することができるようになります。

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